DMAT看護師のヨッシーのブログ

ER看護師でDMAT隊員副隊長を務めているヨッシーのブログです。DMATに関する情報、日々のDMATの業務、看護の技術について等、DMAT看護師に興味を持っている方に役立つ情報を発信していきます。

DMATが行う治療と搬送、トリアージタグの記載等の災害現場での応急処置について

   

いろいろな種類の災害が発生した時にトリアージを行います。

一次トリアージ後にまず災害現場近くの医療救護所に搬送されます。搬送されればさらに医療資源が整っていれば二次トリアージを行い治療や搬送の優先順位を決めなければなりません。

救護所では不可能な根本治療を行わなければならない傷病者を我々DMATが安定化治療を行いながら搬送手段や搬送先を確保しなければなりません。

ここでは限られた人員、限られた資機材の中で最大限有効な安定化治療を行いそのあとの搬送についてお伝えさせていただきます。

普段の診療とは全く異なる災害現場での治療

災害現場では私たちが行っている看護や治療が全て可能ではありません。むしろ出来ないことの方が多いのが特徴です。先ほどもお伝えさせていただきましたが限られた人員、限られた資機材の中で最大多数の最大限の治療を行い究明しなければなりません。

そこでそのようなことをできる限り可能にするには治療の優先順位を決めることが非常に重要になってきます。

医師は医師にしかできない処置を行います。そこで私たちDMAT看護師は医師の介助のほか骨折に対する固定処置、活動性出血に対する止血処置、酸素投与、点滴、薬品の投与など医師と連携し指示を仰ぎながら活動します。

処置後は継続した観察が必要になってくるため傷病者の観察や処置は看護師が行うことが多くなります。

普段の看護業務や普段の研鑽が問われる現場です。災害がないからとか災害には関係ないと思っていると本当に災害は忘れた頃にやってくるので私たちは日常業務を行いながら研鑽も十分に積み重ねていかなければならないのです。

医師が災害現場で行う処置はどのようなものがあるか

災害現場は外傷が多いです。その中でも特に緊急度や重症度が高い処置についてお伝えさせていただきます。

高度な気道確保

気道の確保は簡易なものは頭部挙上法や下顎挙上方などがあります。器具を使った気道確保の方法は経口エアウエイや鼻腔エアウエイさらに高度なものになると経口気管内挿管や経鼻気管内挿管、気管切開などがあります。

これらの処置は医師が行います。看護師は必要物品や介助の手技を叩き込んでおかないといけません。

緊急脱気と胸腔ドレナージ術

緊張性気胸に対して行われる処置です。緊急脱気は注射針(できるだけ太いもの)を鎖骨中線第二肋間に刺して緊急脱気を解除します。この緊急脱気後や血気胸など認められる場合にはトロッカーカテーテルを挿入します。

フレイルチェストやクラッシュ症候群

フレイルチェストの内固定は気管内挿管して陽圧換気をすることで固定されます。外固定は奇異呼吸している胸部の部分に厚めのタオルやガーゼをあてがい固定し胸壁動揺を少なくします。

外固定は看護師でも可能です。しかしJPTECなどの外傷コースなどで勉強していないとわからないと思います。クラッシュ症候群は輸液がメインになるので点滴の確保が重要です。

万一致死性の不整脈が起こってもすぐに除細動が行えるようのAEDパットを装着するのが望ましいでしょう。点滴は医師の指示のもと看護師でも行えますし除細動も可能です。医師が取り扱う重症度や緊急度が高い傷病として看護師が行える処置でもご紹介させていただきました。

看護師が災害現場で単独で行える処置

次に我々看護師が災害現場で行える処置です。

トリアージタグの記載

災害現場や救護所で行ったトリアージタグの記載です。もちろんトリアージも可能です。しかしこれも平時から繰り返しの訓練や学習をしていないとできません。

止血処置

活動性の出血(静脈や動脈を問わず)を止血しないと失血死をしてしまいます。清潔なガーゼやなければ清潔なタオルなどで直接その部位を圧迫止血します。

骨折に対する処置

四肢の骨折は三角巾固定やシーネをあてがい骨折部位の動揺をできるだけ防いでいたみを和らげなければなりません。骨盤骨折が疑われたあるいはそれが判断された時シーツや大きなタオルやタオルケットなどを使用してシーツラッピングの処置を行うことができます。骨盤が動揺すればそれだけ出血を助長してしまいます。愛護的に固定を行います。

頚椎の損傷がある場合又はその疑いがある場合

頚椎カラーの装着を行います。頚椎カラーがなければ用手的に固定をしたり砂嚢で両側頭部を固定します。又毛布などでも頚椎を固定する方法もありますが意識障害がある傷病者は頭部外傷があるかもしれないと念頭に置いて処置にあたらなければなりません。

さらに強い外力が加わり脊髄の損傷が疑われる場合はバックボード固定により全身を固定したほうが脊髄に動揺を与えることなくケアにあたれます。

患者さんの搬送について

普段患者さんが病院に来院する方法として自家用車、タクシーバスや電車などの公共機関の利用、自転車、介護タクシー、民間救急、消防の救急車、Drヘリ、Drカーが主な搬送方法だと思います。

自然災害などでは被災地内の医療機関は大きなダメージを受けてしまいます。一時的な受け入れや外来診療のみ又は診療体制が破綻してしまい受け入れができなくなってしまいます。そこで近隣の医療機関や少し離れた場所へ搬送しなければならなくなります。

このような場合の搬送手段は救急車、警察車両、Drヘリ、自衛隊ヘリや自衛隊の航空機、消防や警察、などのヘリや航空機が使われます。

救護所ないや収容された医療機関においてどの傷病者をいち早く搬送するかを決めなければならない。DMAT隊員は傷病者情報(バイタルサイン、行った処置、傷病名)をもとに優先順位を決定する。

搬送先や搬送手段は現場のDMAT本部や消防などと連携しながら決定する。しかし病院の受け入れ状況や病院までの距離なども加味しなければならなくなってしまう。

DMATはこのような災害現場で過酷な状況下の中で治療や搬送に力を尽くしているのです。

トリアージについては
急性期災害医療の大原則 ~トリアージについて~







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