DMAT看護師のヨッシーのブログ

ER看護師でDMAT隊員副隊長を務めているヨッシーのブログです。DMATに関する情報、日々のDMATの業務、看護の技術について等、DMAT看護師に興味を持っている方に役立つ情報を発信していきます。

過去の大震災からの教訓~防ぎえた外傷死~

      2016/01/27

現在の科学をもってしても災害に予測は不可能に近いことがあります。

特に自然災害は自然が相手なのでなおさらです。将来は予測可能になって人為的な被害が少なくすることはできるでしょう。

防ぎえた外傷死概論

日本では震災による災害がここ近年において多く発生しています。

関東大震災、阪神淡路大震災、記憶に新しい東日本大震災などです。

そんな大規模な自然災害の中医療期間には通常のキャパシティをはるかに超えた負傷者が訪れました。その時医療者はどうしたかというと軽傷者の処置に追われてしまい実際にはその中に重傷者がいたのに重傷者は手つかずのままでした。

その特に重傷者に医療の手を加えていたらもしかして助けられていたかもしれないという事例がいくつもありました。

また現場において下半身を瓦礫や倒壊した建物の壁などに挟まれて救助を待っていた人がいました。上半身は無傷のままだったので意識も清明で救出された後も意識も清明のまま保たれていました。

救急車が到着して車内収容した途端に心肺停止になってしまいました。

これが阪神淡路大震災で認知度が高くなったクラッシュ症候群です。

クラッシュ症候群は第二次世界大戦から知れ渡っていたものですが戦後日本でもわずかではありましたが認知はされていました。この阪神淡路大震災でこのような防ぎえた外傷死の方がたくさん発生してしまいこの時初めて認知されたと言っても過言ではありませんでした。

参考:とっても危険なクラッシュ症候群【症状と治療方法について】

防ぎえた外傷死が発生してしまった背景

・病院前救護
震災は発生した後は110番や119番通報は殺到します。しかし出場部隊には限りがあります。通報を受けて向かってもその途上で救助をして欲しいと呼び止められてしまいまともに救助活動ができませんでした。

無数の負傷者が発生してしまったからです。圧倒的に負傷者が多かったからです。それと同時に火災発生の報がこれもまた多く発生してしまいその対応にも追われていたからです。

圧倒的な被害の中で救急隊員や救助隊員はトリアージや心肺蘇生、全脊柱固定を施す余裕もなく被災傷病者は畳やトタン板に乗せられてトラックやライトバンに乗せられて近くの医療機関に運ばれていきました。その時すでに亡くなってしまった方や搬送途中で無くなってしまった方も多く発生してしまったと言われています。

・被災地内での医療機関
地震により医療機関内のライフラインや設備も大打撃を受けてしまい使えなくなってしまいました。病院の建物の倒壊は破損により入院していた患者さんが退避を余儀なくされることはあちらこちらで見られました。

当然診療もできない他設備や病院職員自身も被災者になり参集できないなどここでも人員不足が発生してしまいました。押し寄せる傷病者は医療機関に到着してもまともな処置を受けられなかったり受けられたとしても時間がかなり経過した後となり手遅れになったりその間にも亡くなってしまったということが多くありました。

このように病院のライフラインの崩壊、設備の破損、医薬品や人員の不足などが原因となって亡くなった方がたくさん発生してしまったんですね。

・被災地外の医療機関の場合
この阪神淡路大震災において大阪府下の被害が少なくまたほとんどなかった医療機関では何ら問題がなく診療は可能でした。このように被災地外の医療機関は被災地内からの患者搬送を待ち構えていました。

しかし搬送されてきたのはごくわずかな患者さんでした。その理由は通信の問題と道路の状況でした。電話やその他の通信手段の遮断により被災地外の病院では状況がよくわかりませんでした。

被災地内の病院に連絡をしたくても連絡ができませんでした。その他の原因として交通機関のマヒや道路が寸断されたのが原因でした。搬送車両の不足も原因の一つでした。今でこそはDrヘリや防災ヘリ、自衛隊ヘリの搬送の体制が整ってきましたが当時はまだ今日ほど整備はされていませんでした。

過去の大震災からの教訓

この阪神淡路大震災で多数の方々が適切な救助、適切で迅速な医療が受ける事ができずに亡くなってしまいました。言うまでもなくこの大震災で多くの犠牲者の上に今日のシステムが構築されたことを忘れてはいけません。

災害拠点病院の構築、DMATの誕生、広域災害救急医療情報システムの開発、航空路での搬送手段などです。

私たちDMAT全ての隊員は災害発生時に防ぎえた災害死、防ぎえた外傷死ゼロにすることを目的に日々の研鑽や訓練によって培っていこうと思っています。

参考:外傷死を防ぐJPTECの活動内容







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