DMAT看護師のヨッシーのブログ

ER看護師でDMAT隊員副隊長を務めているヨッシーのブログです。DMATに関する情報、日々のDMATの業務、看護の技術について等、DMAT看護師に興味を持っている方に役立つ情報を発信していきます。

急性期災害医療の大原則 ~トリアージについて~

      2016/09/15

現在、救急病院においてトリアージを行う救急外来が多くなってきています。トリアージはフランス語でぶどうの産地でぶどうを選別するという意味から名付けられたと言われています。

話は1980年代にさかのぼりますが、静岡駅の地下街で大規模な爆発事故がありました。

吹き飛ばされてしまった方、火傷をしてしまった方、ガラスの破片が刺さったり切ってしまった方など負傷してしまった方がたくさんいました。怪我をしてしまった方は医療機関に行こうとします。

重傷者は自分では動けないので軽傷者は自分で歩いて行ったり何かしらの交通機関や家族の車で連れて行ってもらったりして医療機関を受診します。近隣の医療機関に負傷者が殺到します。

誰もが自分を早く手当をしてもらいたい、家族を早く医師に委ねたい。誰もが強くそう思っています。医療機関側はどうしたかというと次々と訪れる負傷者の対応に追われていました。

その大半は軽傷者です。その対応に追われてしまい医師、看護師は忙殺されました。

しかししばらくすると重傷者が運ばれてきましたが後回しせざるおえなくなってしまい手遅れで亡くなってしまうという残念な転帰が多く見られました。

事後検証で治療の優先順位をもっと考えていたら重傷者に手を加えることができてもしかして助かったのではないか?重傷者を真っ先に診察をしてここでの治療が困難なら他の高次医療機関に搬送して救命ができたのではないかという結論に辿り着きました。

当時はまだトリアージが取り入られておらずトリアージの概念さえありませんでした。

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トリアージとは何か

災害現場において多数の負傷者が発生します。このような現場では限りある人員、限りある搬送手段、限りある医療資源などを負傷者全員に与えることは無理な話です。

そのようなことをもし行おうとしたりすれば助かるはずの命が助からなくなってしまいます。災害現場や災害救護所においてのトリアージは負傷者の状態に応じて一定のレベルの状態にあるのかどうかを判別します。

その状態に応じて治療の優先順位を決めることです。

残酷な言い方をすればどんなに頑張っても救命できない状態の負傷者は見捨てるわけではありませんが治療の優先順位が低くなり助かりそうな命を助けられなくなるのを防ぐためです。

トリアージの方法は幾つかあります。生理学的なSTART法解剖学的に判断するPAT法を私たちは学びました。

トリアージによる優先順位のカテゴリーについて

トリアージの方法をお伝えする前にトリアージによる優先順位の区分についてお話をさせていただきます。

迅速に救命処置をしなければならない負傷者を赤(区分I)

この区分が治療の優先順位が一番高い区分になります。

その次に優先順位が高いのが赤(区分I)に引き続いて緊急処置や外科的な処置を必要とする負傷者を黄(区分II)。

緊急処置を要しないまたは処置が許容される負傷者を緑(区分III)。

どう考えても救命ができない状態や明らかに死亡していると判断した場合の区分は黒(区分0)。などに分類します。

これらの4つのカテゴリーは「最優先治療群、待機的治療群、保留群、無呼吸群」と呼ばれたり「即時、緊急、猶予、死亡」などとも呼ばれることがあります。黒の区分は常に死亡を表すものではなく救命不能となります。

トリアージの方法

大量の負傷者をトリアージする方法の一つとしてここではSTART法をとりあげてみます。

START法はsimple triage and rapid tretmentの頭文字をとってSTART法となりました。

このトリアージの方法は医学的知識があまりなくてもできるトリアージ法です。まず歩けるか?歩けないか?歩けたらその時点で緑の区分になります。

歩けない中の負傷者の状態を次に診ていきます。呼吸はしているか?呼吸数は?橈骨動脈の脈は触れているか?意識の状態は?などから赤区分、黄色区分、黒区分に分けていきます。

一人のトリアージにかける時間は一人当たり30秒以内に行わなければたくさんの負傷者のトリアージはできません。そのためトリアージは二人一組で行われます。

トリアージをする人(トリアージオフィサー)とトリアージタグに状態を記載して負傷者に取り付ける人が通常となります。トリアージ中は治療には参加しません。

しかし例外はあります。呼吸をしていなかったら気道の確保と止血処置はトリアージ中にしても良いことになっています。そして可能な限りトリアージは繰り返し実施する必要があります。

トリアージは少しでも多く医療資源が少ないなかで助かられる命を助けようとするものです。日々私たちDMATの看護師も訓練を重ねています。

関連サイト:最近多くみられるトリアージナースとは







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